女性スポーツの注意点
日本女性スポーツは、世界で活躍する選手が増えています。
現役女性アスリートや、引退後に活動が注目される女性アスリートも存在します。
スポーツをしている女性にとって、あこがれや、目標になります。
日本の女性スポーツのレベルも向上していますので、
東京オリンピックでも活躍が期待できます。
女性スポーツの歴史について簡単に振り返ってみます。
第2回オリンピック(1900年) パリ大会。
初めて、ゴルフ、テニスの女性参加が認められました。
その後、陸上、水泳など参加できる競技が増えていきます。
体力,構造などから、格闘技にかんしては参加することが困難でした。
しかし、1988年ソウル大会からは柔道の参加が開始となり、
以後、ボクシング、レスリングの女性参加が正式に種目となりました。
東京オリンピックでは空手、サーフィンなど新しい種目も注目されます。
その一方で、女性特有の問題、悩みがあり注意が必要です。
スポーツによって健康を害することがないよう、適切な知識と
支援体制を構築しなければ、健康で長く競技生活を送れず
実力が発揮できないばかりか、体調を崩したり、怪我へとつながります
まず、知ることが大切です。
女性アスリートへの注意すべき3つの項目
- 無月経 (むげっけい)
- 骨粗鬆症 (こつそしょうしょう)
- エネルギーの不足
疲労骨折発生との関連についての報告
疲労骨折の発生率
三主徴のうち1つある➡リスク2.4~4.9倍
三主徴のうち3つあり➡リスク6.8倍
無月経、骨粗鬆症、食事をチェックをすることが予防に大切です。
無月経とは?
アスリートに多い無月経の原因は、運動によるエネルギー消費量に対し
食事からのエネルギー摂取量が少ない、
いわゆる「エネルギー不足」と考えられています。
正常発来15歳になっても初経がない場合3か月以上月経がない場合が
月経周期異常に該当します無月経をきたす可能性には、
内分泌疾患の可能性もあるので確認が必要です。
それ以外では、肥満、体重減少過度のストレスがあります。
競技別の発生の報告
審美系競技(新体操など)34%
持久系競技(長距離走、トライアスロンなど) 14%
と無月経の発生が多いというデータがあります。
(アメリカスポーツ医学会より)
検査としては
基礎体温の測定は、状態の評価のために重要です。
また、血液検査をおこないます。
疲労骨折の原因は?
骨密度の低下により疲労(ひろう)骨折が問題となります。
激しいトレーニングにより発生することがあります。
また、運動性無月経の持続によっても発生する要因
となります。運動性無月経がある場合は骨密度検査を
することが必須になります。
エネルギーの不足とは?
精神的な現認により摂食障害がおこることがあります。
食行動の異常、摂食態度を評価することも大切です。
アスリートが本番で実力を発揮する方策について、
栄養の観点から考え、食事、栄養面がポイントになります。
トレーニング状況によっても異なりますが,トレーニング後の
筋グリコーゲンを回復させるためには,通常トレーニング時では
1 日に体重 1 kg あたり 7 g 程度の糖質補給が目標となります。
体重 50 kg の女性アスリートの場合,1 日に 350 g の糖質が必要であり,
ご飯に換算すると,おにぎり(ご飯 100 g)8~9 個分です。
朝食,昼食,夕食では食べきれないアスリートは,補食等を活用し
主食量を確保することが望ましいと言われています。
主菜は,肉,魚,卵,大豆・大豆製品を使ったメニューであり,
たんぱく質や脂質の補給源となります。
たんぱく質は持久系のアスリートで体重 1 kg あたり 1.2~1.4 g,
瞬発力系のアスリートで 1.7~1.8 g程度とされています。
必要以上にたんぱく質を摂取しても,摂れば摂るだけ、筋の合成が
高まるわけではありません。肉,魚,卵,大豆・大豆製品には,
それぞれ特徴があります。主菜としては,何かの食材に偏ることがなく,
様々な食品を利用することが望ましいと言われています。
副菜は,野菜や海草,きのこ類,いも類を利用したメニューは
ビタミン類やミネラル類,食物繊維の補給源です。
女性アスリートが日々,望ましいエネルギー,栄養素補給を行うためには,
まず基本的な食事の構成(主食,主菜,副菜,牛乳・乳製品,果物)が
継続できているのかを確認すると効果的です。
摂り過ぎや不足傾向にある料理区分が何かを確認することにより,
理想的な食事への改善点がわかります。
アスリートアセスメント
身長、体重、皮下脂肪圧、
骨量、骨粗鬆症、心拍数、血圧、体温、血液生化学データ
目標とする試合で最高の実力を発揮するには
日常生活でのセルフケアが大切です。
整形外科医、理学療法士、柔道整復師、骨粗鬆セラピスト、
看護師、義肢装具士など
多様なスタッフが連携することが重要です。
心配なことがあれば、整形外科京命クリニックにご相談ください。
必要時、骨密度、採血、レントゲン、エコー検査にて確認できます。