肩関節
〇肩関節周囲炎(俗名:四十肩)
肩関節に炎症が起こることで痛みが生じたり、可動域が制限されたりする症状のことです。日常の何気ない生活の中でストレスが加わり微細な炎症が繰り返されることで、組織が硬くなり、疼痛と可動域制限をきたします。
主な症状として、
・痛みで目が覚めてしまう(夜間痛)
・洗濯物を干すときに手が上がらない、痛くてうごかせない(可動域制限と疼痛)
・背中に手が回らない(結帯動作制限)などが挙げられます。
炎症期:痛みが非常に強く感じられる時期(夜間痛や安静時痛が特徴的)
拘縮期:痛みが徐々に減少してくるが肩が動かしにくさを感じる時期(可動域制限)
回復期:肩が徐々に動かしやすくなってくる時期
と3つの段階に分かれており、その時期に応じて治療内容が変わります。
炎症期
・消炎鎮痛剤(内服)・湿布
・関節内注射(ヒアルロン酸注射)
・リハビリ
夜間痛が強い場合は就寝時のポジショニング指導
(どのような肢位で寝たら痛みなく就寝できるかの指導)
肩周囲筋のリラクセーション
肩甲骨周りの筋を疼痛自制内で運動
※石灰性沈着炎が原因で疼痛が続いている場合は体外衝撃波も適応になってきます
拘縮期
・関節内注射(ヒアルロン酸注射)
・トリガー注射
・リハビリ
肩周囲筋のストレッチ、関節包のストレッチ
可動域訓練
自宅でできるストレッチの指導など
回復期
・関節内注射(ヒアルロン酸注射)
・トリガー注射
・拘縮の状態が強い場合は受動術
・リハビリ
硬さが残って手があげにくい状態が続いている場合はさらにストレッチ
関節内の治療(関節モビライゼーション)
脊柱の柔軟ストレッチなど
症状によってさまざまですが、疼痛や可動域制限がとても強い方は半年~2年ほど、治療に時間を要することもあります。
可動域制限に関しては
前から手が挙がりやすくなる(屈曲)
↓
横から手があげやすくなる(外転)
↓
背中に手をまわしやすくなる(結帯動作)の順に改善していくことが多いです。
何もしなくても自然に治る場合もあるという報告もありますが、組織が硬くなり可動域が制限されると生活にかなりの支障をきたすのと、改善するのに非常に時間を要します。
おかしいなと感じたら迷わず受診されることをオススメいたします。