KYOMEI BLOG
第1回 痛風・高尿酸血症 ~外傷がないのに、歩けないほど痛い?~
痛風発作の典型的な症状
先日、
「特にぶつけたり、転んだりした覚えはないのに、足がものすごく痛い」
ということで受診された方がいらっしゃいました。
歩くことも難しいほどの強い痛み。
診察してみると、足は大きく腫れ、赤くなっています。
靴を履くことも難しいほどの状態でした。
診察の結果は、痛風発作でした。

「捻った覚えがないのに、なぜこんなに痛い?」
足に強い痛みが出る病気は、もちろん痛風だけではありません。
しかし、今回のように、
-
はっきりした外傷がない
-
関節が赤く腫れている
-
熱を持っている
-
安静にしていても強く痛む
といった症状が突然現れた場合には、痛風発作も考える必要があります。
実際に受診された方に、
「何かきっかけはありましたか?」
とお聞きすると、
「特に思い当たらない」
ということも少なくありません。
「もしかしたら、少し捻ったのかも」
「最近、たくさん歩いたからかな」
「仕事で階段をよく使ったからかもしれない」
と、ご本人は軽い捻挫だと思っていることもあります。
そして、湿布を貼ったり、安静にしたりして様子を見ているうちに、どんどん痛みが強くなって受診されます。
痛風発作では、こんな様子がみられます
診察室に入ってくるときから、痛い足をかばって歩いている。
腫れと痛みが強いため、靴ではなくサンダルを履いている。
革靴を履いて出勤していた方では、帰宅して靴を脱ぐことさえ大変だった、ということもあります。
それほど、痛風発作の痛みは強いことがあります。
「風が吹いただけでも痛い」
という表現を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
「痛風」という名前の由来については諸説ありますが、それほど強いみが突然起こる病気として知られています。
痛みは突然やってくる?
「痛風=いきなり激痛」
というイメージを持っている方も多いと思います。
確かに、突然の激しい痛みが特徴の一つです。
ただ、詳しくお話を聞いてみると、
「最初は少しムズムズする感じがした」
「何となく違和感があった」
という方もいます。
その後、時間とともに痛みや腫れが強くなり、発症からおよそ24時間程度で痛みがピークになることがあります。
特に、
夜寝ているときや、早朝に痛みで目が覚めた
という方も少なくありません。
昼間から違和感を感じていたものの、
「どこかで捻ったのかな?」
とそのまま様子を見て、翌朝になって強い痛みに驚いて受診されることもあります。
なぜ、こんなに痛くなるのでしょうか?
痛風発作の原因は、血液中の尿酸です。
血液中の尿酸が増えてくると、尿酸が溶けきれなくなり、尿酸塩の結晶として関節にたまることがあります。
この結晶を体が「異物」と認識すると、それを取り除こうとする反応が起こります。
その結果、関節に強い炎症が起こり、
赤くなる、腫れる、熱を持つ、そして非常に強く痛む
といった症状が現れます。
つまり、単純に「尿酸が多いから痛い」のではなく、関節にできた尿酸塩結晶をきっかけとして強い炎症が起こることが、あの激しい痛みにつながっています。
痛風は、発作が起こるまで気づかないことがあります
ここで注意したいのが、
尿酸値が高くても、普段は何も症状がないことがある
ということです。
そのため、
「自分が痛風になるとは思っていなかった」
という方が、突然の激痛で初めて受診されることもあります。
痛風発作は、痛みが非常に強いため整形外科を受診される方も多くいらっしゃいます。
しかし、痛みを治すだけでは十分ではありません。
痛みが治ったら、それで終わり?
痛風発作は、適切な治療を行うことで、数日から1週間程度で症状が改善していくことが多くあります。
痛みがなくなり、普段どおり歩けるようになると、
「治った!」
と思ってしまいますよね。
ところが、
痛みが治まったことと、高尿酸血症が改善したことは別の話です。
痛みがなくなってから、そのまま受診しなくなったり、高尿酸血症の治療を中断してしまったりする方もいらっしゃいます。
しかし、尿酸値が高い状態が続けば、再び痛風発作を起こす可能性があります。
では、
「そもそも、どんな人が痛風になりやすいのでしょうか?」
「どの年代に多いのでしょうか?」
「足の親指以外にも起こるのでしょうか?」
「お酒はどのくらいなら大丈夫なのでしょうか?」
次回は、痛風が起こりやすい人の特徴や、痛みが出やすい場所、アルコールとの関係についてお話しします。
痛風は「自分には関係ない」と思っている方にも、ぜひ知っていただきたい内容です。