前向きな気持ちになるから人と関わりたくなるんじゃない、人と関わるから前向きな気持ちになるんだ
自立した生活を送るうえで欠かせない能力のことを IADL(手段的日常生活動作) といいます。
具体的には、
食事や更衣などの基本動作に加え、
買い物や金銭管理、電話応対など“判断力”が求められる動作も含まれます。
年齢を重ねると、
これまで当たり前にできていたことが、少しずつ難しくなっていきます。
「家族に迷惑をかけないように、最後まで自分でできることは自分でしたい。」
これは、患者さんからよく聞く言葉のひとつです。
しかし、
できなくなってから対応するのは、とても大変です。
筋力を取り戻すために筋トレを始めたり、
それに見合った栄養を意識したり…。
もちろん大切なことですが、
本当に重要なのは“できなくなる前にどう予防するか”という視点です。
筋力で考えてみましょう。
人間の筋力は20代前半までは右肩上がり。
それ以降は、ゆるやかに右肩下がりになります。
気づかないうちに、筋肉は少しずつ減っていきます。
だからこそ、
・右肩下がりをいかに緩やかにするか
・その時期をできるだけ遅らせるか
この「予防」という考え方がとても重要になります。
これまで多くの患者さん、そして介護認定を受けた方々と接してきました。
その中で感じることがあります。
年齢を重ねても能力の衰えをあまり感じさせない方と、
比較的若いのにIADLが低下している方がいる、ということ。
その違いは一概には言えませんが、大きな共通点のひとつが
“人との関わり”があるかどうか。
そこで思うのです。
「前向きな気持ちになるから人と関わりたくなるんじゃない。
人と関わるから、前向きな気持ちになるんだ。」
デイサービスやデイケアに通われている方で、
・気の合う方とおしゃべりを楽しんでいる方
・会話は得意ではないけれど、定期的に通って人と関わっている方
そういった方々は、どこか覇気があります。
自然と自分で運動を始めたり、
「今日はこれをやってみよう」と
前向きな行動を取られることが多いのです。
一人でいる時間が長くなると、
どうしても思考は内向きになりがちです。
もし今、気持ちがふさぎ込みがちなら、
何かのコミュニティに一歩踏み出してみるのもひとつの方法かもしれません。
小さな関わりが、心を動かし、身体を動かし、そして未来を変えていきます。
当院では、要支援・要介護認定を受けた方を対象としたデイケアも行っています。
心と身体はつながっています。
どちらか一方ではなく、両方が元気であってこそ、本当の意味での“自立”です。
京命は、皆さまの心と身体の両面を支えられる存在でありたいと願っています。

