メニュー

尿の色にご注意

[2021.08.31]

新学期が始まります。運動がしやすい気候になってきます。
脱水や運動後には、尿の色にご留意してみてください。
尿の色からも体の情報が分かります。 (図を参照ください)

今回はその中から、横紋筋融解症、脱水症

について説明をします。

①横紋筋融解症:おうもんきんゆうかいしょう

 

阪神、淡路大震災では倒壊した家屋に下敷きになり受傷された人が報道されました。

名前を耳にした方もおられると思います。

最初に横紋筋について説明します。

骨間筋のうち、心臓と体幹にある筋肉が、横紋筋です。

この横紋筋のうち四肢では虚血、伸展などにより長時間直接損傷をうけると

横紋筋融解症が発生します。物理的な刺激の具体例としては

災害時に四肢の長時間圧迫、睡眠剤などのによる長時間の同じ姿勢などがあります。

。震災や事故(自動車や電車)などの不測の事態としての

挫滅(クラッシュ)症候群など、つまりは

筋肉へ強い衝撃が加わるような場合に起こり得ます。

 

それ以外の原因をまとめます。

充分な水分補給もなく激しい運動をする時

夏場の熱中症では深部体温が40℃を超えて骨格筋の変性や壊死が起こり、

筋細胞よりタンパク質(主にミオグロビン)やミネラルなどの成分が流出します。

 

筋肉組織の破損がおきると、カリウム(K)、

尿酸、ミオグロビンなどの有害物質が全身に流出します。これを放置すると、命にかかわります。

 

水分が不足した状態での激しい運動(マラソンなど)では、脱水や筋肉内にたまる熱などにより

筋肉に損傷を受けやすくなります。

 

主に流れだす筋肉成分はミオグロビンというヘムタンパク質の1つになります。

ミオグラビン尿。

 

具体例

先日クリニックに受診をされた30歳台の男性です。

両大腿部(もも)の筋肉がいたくなり、かばいながら、診察室にはいってこられました。

特にぶつける、転ぶなどのきっかけがありません。

両ひざを曲げることができず、膝を伸ばした状態で座ります。

レントゲンでは特に異常なし。

エコー検査から筋肉の炎症による変性を一部で認めました。

尿の色が赤に近い色になっていたといわれます。
最近は激しい運動や筋トレ、スクワットを熱心にされているそうです。

この間、水分を十分に取らなかった。

痛みが強かったために、筋肉のスクワットや自分でのマッサージを行った。
採血をしたところ、筋肉が激しく損傷していることを示す筋酵素が激しく上昇していました。  

採血結果にて、肝機能、クレアチニンキナーゼの過剰な増加をみとました。

横紋筋融解症と診断し、救急病院へ紹介となり入院治療となりました。

そのまま放置しますと、腎臓機能、心臓機能に強い影響を起こし、

腎機能障害の発生、状況によっては命にかかわることがあります。

震災時、飛行機、交通事故での長時間の圧迫の場合には、死亡原因となっています。

 

ちなみに、安静が大切ですので、筋肉のストレッチやマッサージはしないようにして下さい。
尿の色がいつもと違う特には一度、ご相談ください。


 

②熱中症

梅雨明け前後の気温上昇の時期に発症リスクが高いです。

今年は連年と異なり、8月お盆時期に梅雨のように1週間以上毎日雨が続きました。その後は猛暑となっています。

朝夕は涼しくなってきましたが、熱中症に注意必要です。

運動時には十分の水分補給をしてください。

もう一度症状を確認します。

めまい、立ちくらみ、生あくび、冷や汗、筋肉痛、こむら返り、尿の色に注意してください

 

まとめ:横紋筋融解症 熱中症についてご注意ください

    尿の色に特徴があります。 

    心配があればご相談ください

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME